こんにちは!中小企業診断士のりょうまんです!
中小企業診断士という資格について、ネット上では「役に立たない」「なくなる」などの噂が流れています。「中小企業診断士の資格を取ろうと思ったけどこんな噂があるってことは無駄な資格なのでは…」と考える人もいるのではないでしょうか。この記事では中小企業診断士を資格を取得した私が本当に「役に立たないからやめとけ」と思われる資格なのか、様々な疑問について掘り下げていきたいと思います。
1. 中小企業診断士が「なくなる」「役に立たない」という噂の真相
最近、ネット上で「中小企業診断士がなくなる」「役に立たない」といった意見が増えています。これらの主張は、資格取得を考えている人々に不安を与える要因になりかねませんが、実際はこうした書き込みをしている人は資格を保有していない人が大半だと思われます。
1.1 噂の背景
「中小企業診断士がなくなる」という噂が広がる背景には、いくつかの要因があります。
- 業務の多様性: 中小企業診断士の業務は多岐にわたり、特定の分野に絞られていないため、その存在意義が不明確だと感じる人もいます。つまり【何をする人なのかイマイチわからん人】という印象があります。
- 資格のみの不安: 中小企業診断士の資格を取得するだけでは不十分で、実務経験が重要だとの意見が広がっています。これは私自身もそう感じていますので、資格取得がゴールではないと思います。
1.2 役に立たないという誤解
中小企業診断士が「役に立たない」とされる理由には、以下のような点があります。
- 実務経験との乖離: 資格を取得した後、実際の経営にどのように貢献できるのかが曖昧だと感じる方が多く、その結果として「役立たない」という印象を持たれることもあります。
- 情報提供の質: 一部の中小企業診断士が提供するアドバイスの質には均質性がなく、中には効果的ではない情報も存在します。これが全体的な信頼性を低下させる要因となっています。
1.3 中小企業診断士の重要性
この様な書き込みがインターネット上で溢れているかもしれませんが、中小企業診断士は以下のような重要な役割をしっかり担っています。
経営改善のサポート
中小企業診断士は、企業が抱える経営課題を明確化し、その解決策を提供することで、企業の持続的な成長を支援します。例えば、売上が伸び悩む企業に対しては市場分析を行い、適切なマーケティング戦略を提案することができます。また、業務プロセスの効率化やコスト削減のアドバイスを通じて、企業の競争力を高めることも可能です。
専門的な知識の提供
中小企業診断士は、経営戦略、財務分析、人材育成、マーケティング、IT活用など、幅広い分野における専門知識を有しています。これにより、企業の現状に応じた的確なアドバイスを提供し、経営者が適切な意思決定を行えるようサポートします。特に、近年ではAI・ITへの対応が求められる中で、これらの分野における診断士の知識はますます重要性を増しています。
中小企業の経営者に寄り添う存在
中小企業診断士は、単なるコンサルタントではなく、経営者の「伴走者」としての役割も果たします。経営者が孤独になりがちな意思決定の場面で、信頼できる相談相手として寄り添い、共に課題を乗り越える存在です。このような関係性は、特に中小企業において重要な意味を持ちます。
地域経済への貢献
中小企業診断士は、地域に根ざした中小企業の支援を通じて、地域経済の活性化にも寄与しています。例えば、地方の中小企業が抱える後継者不足や事業承継問題に対して、具体的な解決策を提案することで、地域の雇用や経済基盤を守る役割を果たしています。
社会的な信頼性とネットワークの活用
中小企業診断士は国家資格であり、その資格を取得するためには高度な知識と実務能力が求められます。このため、診断士が提供するアドバイスには一定の信頼性が担保されています。また、中小企業診断士同士のネットワークや、行政機関・金融機関との連携を活用することで、企業に対して多角的な支援を行うことが可能です。
このように、中小企業診断士は企業経営において重要な存在です。これらの噂は感情に流された意見が多く、業界の全体的な重要性を見落としていることが少なくありません。私も資格取得を目指す中、「中小企業診断士の資格は役に立たない」「中小企業診断士の資格取得はやめとけ」という記事を見て悩んだことがありましたが、この記事を読んでいる方は誤解に惑わされず、正しい情報に基づいてしっかりと考えていただきたいと思います。
2. 「やめとけ」と言われる4つの本当の理由
中小企業診断士を目指す人々に対して「やめとけ」との助言が飛び交う背景には、多くのリアルな理由が存在します。以下では、その具体的な内容を詳しく掘り下げていきます。
1. 独占業務が存在しない
中小企業診断士は特定の業務を独占的に行う権限がないため、資格を持たない者でも経営コンサルティングを行うことが可能です。企業にとっては、単に資格を持っているかどうかよりも、その人の実績が重視されます。このため、資格を取得したからといって必ずしも職を得られるわけではなく、収入に結びつかないケースが多いのが実情です。しかし、これは税理士や社労士の士業の方が独占業務があるから食っていけるかといえばそうでもなく、どんな士業でも最終的には人脈と営業力が重要なんですがね…。
2. 資格取得の難易度
中小企業診断士の試験は、非常に厳しい競争が繰り広げられています。2024年の実績を元にすれば一次試験の合格率は約27.5%、二次試験においては約18.7%となっており、ストレート合格者は約5.1%という高難度資格となっています。このため、多くの受験者は1,000時間以上の学習を強いられ、挫折してしまう例が少なくありません。また、資格を取得した後の職業的評価が低いという現実に直面した人々が多く、これが「やめとけ」といった意見を生む要因となっています。
3. 資格を取得しても仕事に結びつかない
資格を取得したからといって、自動的に収入が得られるわけではありません。実際には、34.3%の診断士が「コンサルティング業務を行っていない」と回答しており、資格取得後に実際の仕事に結びつかないことが少なくありません。知識や資格よりも、実績や経験が重要視される現実から、資格取得に対する疑問が増しているのです。
4. 優れた競争相手との競争
中小企業診断士として成功するためには、専門知識だけでなく実務経験も必要です。しかし、資格を持っているだけでは実践的なスキルが育成されず、他の優秀なコンサルタントとの競争は避けられません。その結果、未経験の診断士は顧客を獲得するのが難しく、特に収入が低くなったり、業務が不安定になったりしやすい傾向にあるようです。
中小企業診断士としてのキャリアは非常に魅力的ですが、多くの困難も伴います。このような理由から、資格取得を目指す際には十分な検討が必要だという声が広がっているのが現状です。
3. 中小企業診断士がこれからも生き残る3つの根拠
中小企業診断士が今後も求められ続ける理由は多様です。以下にその主なポイントを詳しく説明します。
政府の強力な支援と需要
中小企業診断士は、政府から非常に高い評価と支援を受けている専門職です。日本政府は中小企業の経営基盤を強化するために、様々な施策を実施しており、その影響で診断士の役割がますます重要視されています。特に、以下の点が際立っています。
- 政策支援: 政府は中小企業診断士が提供する専門的なコンサルティングを活用し、地域経済の活性化を促進しています。
- 新型コロナウイルスへの対応: 感染症の影響で多くの中小企業が財務的な困難に直面しており、そのため中小企業診断士のサポートがますます求められています。
このような背景の中で、政府の強力な支援がある限り、中小企業診断士の存在意義は今後も示され続けるでしょう。
AIによる代替が難しい職業
中小企業診断士はAIによる代替が難しい職業として認識されています。これには以下のような理由があります。
- 高度なコミュニケーション能力: 診断士はクライアントとの信頼を築き、彼らの特定のニーズに応じたアドバイスを行うために、高度な対人スキルが必要です。
- クリエイティブな問題解決能力: 経営に関する課題は多岐にわたるため、これらを解決するためには柔軟な思考や独創的なアプローチが必須です。これらのスキルはAIが簡単には模倣できない領域です。
そのため、AIの進化があっても中小企業診断士の役割は失われることはないと予想されています。
幅広い知識とスキルの習得
中小企業診断士の資格取得に向けた学習は、単に試験対策の知識を得ることにとどまらず、実務で役立つ幅広い知識を習得するプロセスでもあります。学ぶべき分野には、以下のようなものがあります。
- 経営戦略: ビジネス環境に適応するための戦略的な思考を養います。
- マーケティングや財務管理: 経営リソースを最大限に活用し、効果的に資金を運用するための知識が求められます。
- 法律やITの理解: 経済活動に関連する法律やデジタル技術についての知識を持つことで、より包括的な支援が可能となります。
これらのスキルは、企業内外のさまざまなシチュエーションで役立ち、中小企業診断士としてのキャリアに高い価値をもたらします。
中小企業診断士は、今後も政府からの支援やAIに依存しない専門職として、ますます重要な存在として位置づけられることが期待されています。
4. 実は需要がある!中小企業診断士の具体的な仕事内容
中小企業診断士の主な役割は、経営コンサルティングを通じて顧客企業の経営改善に寄与することです。経営者や企業が直面するさまざまな課題に対して具体的な解決策を提案し、実行に移すためのサポートを行います。ここでは中小企業診断士が担当する具体的な仕事内容を詳しく見ていきましょう。
経営コンサルティング
中小企業診断士の中心的な業務は、経営コンサルティングです。以下のような活動を含みます
- 経営診断:企業の現状を分析し、課題を明確にするための診断を行います。これにより、企業がどの分野で改善が必要かを具体的に把握します。
- 経営改善計画の策定:企業の課題に基づいて、具体的な改善計画を作成します。この計画は、目標設定や施策の優先順位付けを行うことが含まれます。
- 実行支援:策定した改善計画を実行に移すための支援を行います。企業の内部での調整や、関係者とのコミュニケーションも重要な役割です。
各種書類の作成
中小企業診断士は特定の書類を作成することも重要な業務です。例えば
- 経営診断書の作成:企業の経営状態を分析し、課題を明確化するための書類を作成。特に財務状況や経営基盤の健全性を評価し、改善提案を行う。
- 経営改善計画書の作成:経営課題を解決するための具体的な計画を策定。収益計画や返済計画を含み、金融機関との交渉や資金調達の際に活用される。
- 補助金申請書の作成支援:補助金や助成金の申請に必要な事業計画書や関連書類の作成を支援。企業の状況に応じた最適な補助金を提案し、採択率向上を目指す。
研修・セミナーの講師
中小企業診断士は、経営に関する知識やスキルを広めるための研修やセミナーの講師としても活動します。これにより、自らの知識をアウトプットしながら、他の経営者や企業の成長に貢献することが可能です。
業界ごとの特化
中小企業診断士は、特定の業界に特化したコンサルティングを行うこともあります。例えば、製造業、サービス業、小売業など各業界の特性に応じた専門知識を活かし、実践的なアドバイスを提供します。このように専門性を高めることで、さらに需要のあるコンサルタントとしての地位を築くことができます。
中小企業診断士の具体的な仕事内容は多岐にわたりますが、その基本には企業の成長を支援するという使命があります。企業や経営者の声に耳を傾け、的確なアドバイスを提供することが、中小企業診断士のプロフェッショナルな仕事の要です。
5. 私が資格を取得したことで生まれたメリット
中小企業診断士の資格はを取得したことで、どのようなメリットがあるのか、資格を取得した私自身が感じたメリットをご紹介します。
本業に生かせる場面が増えた
まず資格を取得したことで、養成課程の実習や実務補修などで多くの経営者と対話しているため、経営者目線で物を考えることができるようになります。自分でも気づかなかったのですが、こうした考えができる社員って実はめちゃくちゃ少ないです。大抵の社員は自分の業務範囲のことしか考えませんからね(笑)
そのため、下手すれば役員以上に経営のことが理解できるので、自社の現状分析が客観的に行うことができ、問題点⇒課題抽出⇒改善策提案とアプローチすることが可能となります。実際に私は資格取得後に本業の会社の社長含む役員に以下の内容を強引に提案しました(笑)
- 財務分析:自社の財務データと競合企業の財務データを比較し、問題点を提案。
- 経営戦略:自社には短期的な目標しかなく、中長期的な経営戦略が存在しない点を指摘。
- 事業分析:マーケティングフレームを用いた事業分析による現状分析の報告。
一般的な企業では上記の様な取り組みは当たり前に行っているかもしれませんが、私の会社ではこうした内容を分析する習慣がなかったため、役員にはかなり響きました。というよりかなり辛辣な状況なので包み隠さず報告したため、当初は役員にかなりムッとされましたが、最終的には理解していただき好評されました。
本業の待遇が良くなった
私の会社では資格取得支援制度があり、中小企業診断士の資格を取得した場合は毎月3万円の手当が付与されます。つまり年間で36万円分の収入アップにつながります。
更には上記で挙げた様な経営に関わる業務を任せられるようになり、結果的には役職が上がることとなり年収も200万以上プラスされることとなりました。
自分にとって楽しいと思える業務が担当できるようになり、年収も上がるというのはメリットであったと思えます。
- 年収のアップ:資格手当や役職手当などで年収が大幅にアップした。
- 自分の興味ある業務を担当:中小企業診断士の資格を活かして経営に参画できるのは非常に楽しい。
副業で更に収入が増えた
私は現在の仕事を続けながら、副業として補助金関係や企業のコンサルタント業務、執筆作業やセミナーなどを行っています。これらは養成課程時代のつながりや、診断士協会のつながりなどで仕事を受注しています。
まだまだこれ1本で喰っていける状況ではありませんが、少しずつ収益は増えている状況です。
- 補助金申請:知り合いの診断士の方が受注した補助金関連の業務を手伝い、収益を得ています。
- コンサルタント業務:知り合いから紹介された企業のコンサルタント業務で収益を得ています。
- 執筆作業:知り合いから依頼された著書の協同執筆に参加して、原稿代を得ています。
- セミナー:基本無料セミナーを行って、集客活動を行っています。
- ブログ収入:ブログの広告やアフェリエイト収入で、収益を得ています。
このように、中小企業診断士の資格を取得することは、単に評価の高い資格を得るだけではなく、具体的なビジネスチャンスを広げる手段でもあります。資格取得後には、自身のスキルや知識を基にした価値のあるサービスを提供することで、実際に収入を得ることができるのです。
まとめ
中小企業診断士は、単なる資格取得だけでなく、実務経験と専門知識を併せ持つ存在として、今後ますます重要性を増していくことが期待されています。政府の強力な支援や、AIが代替困難な業務範囲など、中小企業診断士には確固たる将来性があります。資格取得後は、経営コンサルティングや講演・研修など、多様な方法で収入を得ることが可能です。中小企業の経営改善に貢献しながら、自身のキャリアを切り開くことができるのが魅力的といえるでしょう。この資格は単に「やめとけ」ではなく、むしろ「おすすめ」な選択肢といえるのではないでしょうか。
よくある質問
中小企業診断士は今後なくなってしまうのでしょうか?
中小企業診断士は政府から強力な支援を受けており、AIによる代替が難しい専門職として位置づけられています。また、企業の経営改善や支援に貢献するなど、その重要性は今後も変わらず続くでしょう。噂とは異なり、中小企業診断士は今後も生き残り、活躍し続けることが期待されています。
中小企業診断士は実際に役立たないのですか?
中小企業診断士は企業経営の改善やサポートを行う重要な役割を担っています。ただし、一部の診断士によるアドバイスの質が不均一であったり、資格取得後の実務経験が不足していたりするケースがあり、そのため「役立たない」と感じられることもあります。しかし、適切な知識とスキルを持つ診断士は企業の持続的な成長を支えています。
中小企業診断士の試験は本当に難しいのですか?
中小企業診断士の試験は非常に競争が激しく、2024年の実績を元にすれば一次試験の合格率は約27.5%、二次試験においては約18.7%となっており、ストレート合格者は約5.1%と高難易度です。多くの受験者が1,000時間以上の学習を要し、挫折してしまうこともあり、実際に私は何度も挫折しています。